中小企業では、他社と差別化するための「ブランディング」「ファンづくり」が重要です。
その一方で誰に相談したらいいかわからないというのが多くの経営者、担当者の本音。
それを解決するのが、私たちの仕事です。
東京デザイン星組代表、アートディレクターとして活躍する小林は、中小機構アドバイザー時代から、数多くの中小企業の経営者をサポートしてきました。
今回は「実際にどのようなサポートを行ってきたのか」をお話します。
これらを知っている経営者と知らない経営者では、大きく異なります。
ぜひこれからの経営の参考にしてください。
中小企業ブランディング、どんなことを支援してきたか。
- ビジネスモデル
- よろず相談
- 外注について
- マーケティングツール
- 人間関係
- 様々な業界
- ツールの使い方
- 補助金
- 士業の紹介
- 職業の適正
ビジネスに直接関わるものもあれば、間接的に関わる相談もあります。
それぞれどのような相談を受け、どのように導いていたのか、以下で解説していきます。
中小企業ブランディング
【1】ビジネスモデル
ビジネスモデルでは、クリエイティブな視点から相談を受けてきました。
創業時にご相談いただくことが多かったです。
たとえば「こんな色が好き」「こんな社名にしたい」「こんなロゴにしたい」などは、多くの人がイメージとして持っているので、さらに、ターゲットやペルソナを一緒に考えていきます。
多くの人は、理想のイメージは持っていても、文字で表現するのが難しく、その結果発注時などに制作業者とのすれ違いが起こってしまうのです。
よくあるのが「あのときはキチンとイメージを共有していたのに、出来上がったら違うものができた」という例。
とくに大手のデザイン会社だと、制作担当(デザイナー)と窓口の担当者(営業)が異なるため、共有が上手くいかない場合があります。
デザイナーに直で相談することで、このようなイメージのズレをなくすことができるのです。
また、これは「伝える技術」の向上に繋がります。
ご自身で営業活動をする際に、どのようにすれば相手にイメージを伝えられるのか、またきちんと伝わるのか…。
その場合に必要とされる専門家【アートディレクター】は貴重な存在となります。
「クリエイティブ視点から考える」という狙いはまさにここにあるのです!
中小企業ブランディング
【2】よろず相談
よろず相談は、ビジネスに関わる、軽度な相談です。
「どんなパソコンを買うべきなのか」や「どのような勉強をするべきなのか」など、具体的なものから抽象的なものまで広い分野の相談があります。
- ご自身の環境やスキルのヒアリング
- 何を成し遂げたいのか?
それぞれをヒアリングした上で、スキルを伸ばしたほうが良いもの、必要なものなどをアドバイスしてきました。
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【3】依頼する外注選定について
経営者にとって、外注費は悩みの種です。
知識がない場合、外注からの見積金額が正しいかどうかもわかりません。
特に注意すべきなのは「お友達価格」です。
そこで、小林は、正規の業者に出すべきか、知り合い程度の方に「お友達価格」でやってもらうのか、
本当はどちらが正しい選択なのか、をアドバイスしてきました。
はたして
- 「安いだけで良いのか。」
- 「高いけれど、質やレベルの違いが売上に反映しているのではないか。」
- 「安くて質の悪いものでは、印象を悪くしてしまうのではないか。」
と、選択の軸の面からアドバイスします。
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【4】マーケティングツール
マーケティングツールには、様々なものがあります。
SNS、Web、動画、紙媒体など。
実際には予算の関係で欲しい物全てを揃える、そして使いこなすのは難しいため、まずどこからお金をかけるべきなのか、どのツールが合っているのかを導きます。
さらに優先順位を明確にし、どのように管理するのか、管理できないことでどのようなマイナス要素になるのか、なども一緒に答えを出していきます。
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【5】人間関係
意外と多いのが、人間関係の相談です。
経営者のなかには、断れない関係を続けている人や、業者同士の関係で悩んでいる人が多くいます。
気持ちよく仕事を進めていくためには、悩まされる人間関係は断つべきでしょう。
創業間もない方の中には、ママ友との関係で悩まされている女性経営者もいました。
「経営の講座と友達とのランチ、どっちをとるの?」といったような、ママ友との関係で悩んでしまうケースもあるのです。
中小機構では、こうしたご相談にも親身に寄り添うスタッフが在籍しています。
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【6】様々な業界
各業界についての知識のアドバイス。
たとえば、大きい金額を投入しようとしている、新規事業など。
その分野で知識・経験が不足している場合「この事業にお金をかけていいのか?」と悩んでしまう経営者は多いです。
たとえば「本人にとっては最新のつもりでも、実は古い情報」ということもあります。
小林本人の体験や中小機構という場所に集まってくる情報も交えながら、最新の動向についてアドバイスを行いました。
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【7】ツールの使い方
ITツールやクリエイターが使用するソフト、機器などの相談です。
パソコンや携帯電話、各種ツールの便利な使い方についてアドバイスを行いました。
まずは「なんのためにどうしたいか?」をヒアリングし、より良い方法を教えます。
たとえば「Adobeの製品を自分で覚えるべきか」「LINEをどのように活用するか」など。
なるべくお金をかけない方法や、実際に使っている人がどのような使い方をしているかなど、知恵袋のようなアドバイスしています。
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【8】補助金
小林は、中小機構、東京都中小企業振興公社、またチャレンジ農業支援のアドバイザーをしています。補助金などの必要な情報のご提供もしています。
ただ補助金の案内をするだけではなく、書類作成の大変さなども合わせてお伝えし、補助金を利用するべきか、またその時期なのかなどをアドバイスします。
補助金については、サポート実績も豊富で、申請方法や専門家の頼り方など、お伝えできる注意点は沢山あります。ブランディングで補助金を活用したい場合にもお気軽にご相談ください。
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【9】士業の紹介
士業の紹介では、主に以下の業種を紹介してきました。
- 中小企業診断士
- 弁護士
- 税理士
- 弁理士
自社開発製品で特許を取得したい方への弁理士のご紹介など。
たとえば、こんな事例があります。
「犬のトイレのハイテク化事業」へのご提案では、物作りのプロフェッショナル、インダストリアル系デザイン事務所の紹介なども行い、その後素晴らしい業績を残されました。
さらに「どのような人と繋がれば事業が拡大するのか?」「どのような人に話しを聞いてもらうべきか」などを考えて、他業種のマッチングも行っていました。
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【10】職業の適正
職業の適正では
「独立しようかな?」
「独立をしたいけど続けられるか不安」
「独立したけれど将来が不安」
といったような相談を沢山の方々から受けてきました。
創業するにあたり「本当にやりたいことが他にある」などの悩みもあります。
特に定年前のご相談は多かった印象があります。
定年後の創業は退職金を使うことになるので、夫婦ゲンカになってしまう方もいました。ご家族がいれば慎重にセカンドステージを選択すべきでしょうし、そのような方々にもお役に立てると思っています。
中小企業ブランディングにおける「制作物」に関する指導
制作では、主に基礎の講座を行っていました。
あくまで、クリエイターとしてプロフェッショナルに育てるための講座ではありません。
「最低限、ここまでの知識を知っておくと良いですよ」といったようなものです。
実際に手掛けるものの一覧は、以下のとおり。
- ロゴ
- 名刺
- 会社案内
- チラシ・パンフレット
- ホームページ
- SNSに関すること
- パッケージ
- 看板
- 展示会に必要なもの
- ブランディングツール
- ポスター
- 企画書
- スチール、動画、360度撮影
- マップ作成
- エディトリアルデザイン(雑誌、自分史、冊子、書籍)
- イベントの企画・コーディネート
中小企業ブランディングで超重要な「気付き」
気付きの講座では、以下のような質問をしていきます。
- 自分は何色が好きか
- 自分をどう演出して、どう見られたいか
- 自分のやりたいことは「柔らかい」「硬い」どちらか?
- 自分のやりたいことは「明るい」「暗い」どちらか?
つまり、頭の中のアウトプット作業です。
たとえば「体に良い」という言葉一つとっても「体」「カラダ」「身体」「からだ」で伝わり方が異なり、本当に伝えたいことが伝わらなくなってしまいます。
これらを理解して制作に進まなければ、結果的に自分のイメージとズレてしまうのです。
中小企業ブランディングの8つの講座
講座では、以下8つの講座を行っていました。
- デザイン基礎講座
- 創業塾
- 集客講座
- 制作ツールの使い方
- イベント講座
- 肩書き講座
- スキルアップデザイン講座
- 交渉力講座
デザインはもちろん、経営者の悩みとなる交渉力や集客などの講座です。
他ではあまり見られないような「肩書き講座」などは大好評でした。
以下で、それぞれの講座について解説します。
中小企業ブランディング講座
【1】デザイン基礎講座
デザイン基礎講座では「デザインとは?」などを理解してもらうための講座です。
たとえば、色の意味やフォントの使い方などを伝えます。
デザインをやっていれば、色の意味やフォントの重要さはわかりますが、一般的に理解している人は少ないと感じます。
よくある大きな間違いが、企画書とチラシの内容が同じようになっている例。
見せる相手が違い、目的も異なるのに、同じものになっている場合が多いです。
その結果、売上につながりにくくなってしまいます。
中小企業ブランディング講座
【2】創業塾
創業塾とは、主にビジネス経営の創業に関する基本的な講座です。
さまざまな内容を凝縮して学びます。
小林はその中でも、とても珍しいのですが創業者向けのデザイン講座を担当していました。
【創業塾の主な内容】
- 開業手続き
- お金の話
- マーケティング
- ビジネスの心得(マナー)
- 法人成のタイミング
- 確定申告(青色と白色の違い)
- 金融機関との付き合い方
- ビジネスに必要なデザインの基礎
例としては、ロゴや名刺、会社案内など。作りどきはいつなのか、またどれくらいの予算をかけたら良いのかなど
創業時におすすめできる方法などもアドバイスしています。
中小企業ブランディング講座
【3】集客講座
集客講座では、現在の状況や、これからどうしていきたいのかをヒアリングします。
よくアドバイスしていたのは「一人ひとりのファン作りが大事」という内容です。
たとえば、まず身近な人に事業について説明してもらうなど。身近な人に説明し、理解してもらえないのに、一般の人には伝わりません。
そうしたファンをどのように増やすのかなどをお伝えしています。
中小企業ブランディング講座
【4】制作ツール
何でも思い立ったらすぐツールを作ってしまうのではなく、「何度も利用するものを作るのか」「どれくらいの期間使うのか」などを洗い出し、最終的にどんな形を望んでいるのか、そこから逆算していく考え方をお伝えしてきました。
中小企業ブランディング講座
【5】イベント講座
例えば、マルシェや展示会などの効果的な参加方法などです。
食品や商品を作っている企業からのご相談が多いです。
どの位前から、どのような企画で、どのように進めていくかなど、商品の展示の仕方も含めてお話しています。
とても重要な項目でもあります。
中小企業ブランディング講座
【6】肩書き講座
肩書き講座は人気がありました。
「肩書き」ひとつで自分のことを理解してもらうための講座です。
たとえば名刺を見ても「代表」だけでは何も伝わりません。
インパクトがあって、自己紹介時に話題が広がる「肩書き」を考えていきます。
事例として、ITの仕事がメインの方でしたが、自分の人となりは、「おせっかい」で「人懐っこい」方でしたので、講座の中から「平成の寅さんがいいのでは?」という盛り上がりを見せ、そのまま肩書きに「平成の寅さん」という名詞が出来上がったという、面白エピソードとなりました。名刺を渡すと面白くて非常に印象に残ると大好評だったようです。
肩書は一番最初のきっかけになり、話題作りにもなるので、コミュニケーションツールの一つとして大きな役割を持つと考えられます。
中小企業ブランディング講座
【7】スキルアップデザイン講座
スキルアップデザイン講座は「経営者としてのビジネスの内容に沿った指示出し」を考慮した講座です。
例えばこのようなワークを行います。
「あなたはカフェの店長です。クリスマスイベントとしてシュトーレンを売りにした集客をする予定です。アルバイト社員に黒板に絵を描いて、素敵な看板を作ってもらうためにわかりやすい指示書を作りましょう」
というようにテーマを決めてワークショップを行います。
スキルアップと言う名前ではありますが、アウトプット講座という形です。
実際に手を動かして、ハサミやノリ、色鉛筆など、自由に道具を使いながら子供の頃を思い出してイメージを形にしていきます。最初はできるかな?とドキドキしてしまう方がいらっしゃいますが、やり出すと楽しそうにイキイキと作業されています。
中小企業ブランディング講座
【8】交渉力講座
交渉力講座は、デザイン会社など、外部の方との交渉力を身につけるといった実践での話をしていきました。
知っておくべき最低限の知識を身につけ、見積書などを読み解いていくことをお伝えてしていきます。
一例としては
- A4→A4サイズの用紙
- 4C→4色
- 2P→2ページ
など。クリエイティブ業界では当たり前な用語ではありますが、これらについてわからない人もいます。
しかし、制作会社などは当然のように見積もりにこのような表記をしてきます。
項目がわからないと、何を進めて良いのか何か、何を削るべきか判断できません。
単語の解説から丁寧にお伝えします。また、スケジュール管理についてもお話しいたします。
中小企業をあらゆる面からサポートできる実績
このように、「中小企業のブランディング」といっても、多角的にサポートしていかなくてはなりません。
- どのようにブランディングしたらよいのかわからない
- 自社のブランディングイメージは固まっているが、どのように進めていけばいいかわからない。
- 伝え方がわからない。なかなか伝わらない
上記のようなことでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
一緒にアウトプットしていきましょう!
デザイン業務は、ただ依頼されたものを作るだけの仕事ではありません。
みなさまが思い描く、理想の形に進んでいくための「道先案内人」としてのお手伝いこそが、私たち「アートディレクター」の役目だと思っています。